お客様
概要
水ing株式会社様は、水処理施設(浄水場、下水処理場、汚泥再生処理センター、し尿処理場、民間施設等)の設計・建設から運営、維持管理までをトータルに手掛けています(運転・維持管理の拠点は、国内約300か所)。
水ing株式会社様はこれまで、自社で管理されている施設内の、多数の設備機器の情報を、効率的に収集・管理する方法を模索されていました。
従来の手作業による情報記録では多大な労力と時間がかかるため、機器に取り付けられている「銘板」の画像を活用し、生成AIを用いて銘板上の文字情報を自動的に読み取ることで、効率的かつ正確に記録を残せる仕組みの導入を目指しました。
ポイント
- Amazon Bedrockを活用し、設備機器の銘板画像から文字情報を自動的に読み取るAIエージェントを構築しました。
- 生成AIにより、画像から抽出した文字情報を、あらかじめ定められた管理項目と適切にマッピングすることで、機器ごとの詳細な情報を設備情報としてデータベース化し、後から容易に確認・追跡できるようにしました。
お客様の課題
- お客様は、数多くの施設を所有されており、それらの施設内には数千台にも及ぶ設備機器が設置されています。これら膨大な数の機器を一元的に管理するため、機器一覧の作成を検討されていました。
- 一覧の作成のために、各機器の情報を目視で確認し、手作業で記録を取ることは、膨大な作業量と時間がかかるうえ、ヒューマンエラーのリスクも高まります。そのため、より効率的かつ正確に機器情報を収集できる仕組みの導入が強く求められていました。
ご提案・実施内容
- 機器に取り付けられている「銘板」の画像を活用し、銘板上の文字情報を自動的に読み取ることで効率的かつ正確に記録を残せる、AIエージェントを構築しました。
- 複数種類の生成AIのモデルを用いて、評価・検討を行い、運用コストと判定精度のバランスを確認しながら、有効なモデルを選択しました。さらに、プロンプトチューニングにより、OCRモデルの利用や学習を行うことなく、文字情報の読取を実現しています。
- 生成AIによって、画像から抽出した文字情報を、あらかじめ定められた管理項目と適切にマッピングすることで、機器ごとの詳細な情報を整理し、設備情報としてデータベース化しました。
導入結果
- これまでは1台あたり約10~15分(メモ取り+打ち込み)の作業時間がかかっていました。また、メモのミスなどの場合には再度確認にいくなど、手戻りがありました。
- AIエージェントの構築により、機器情報の収集と記録を効率化するシステムを構築し、作業時間は約1/4となりました。さらに、メモではなく写真で確認できるため、再度撮影するなどの必要がなくなりました。
お客様からのコメント
- 本アプローチにより、機器情報の収集作業の大幅な省力化と、データの一元管理が可能となります。
- 現在は社内で利用説明会を順次行っており、徐々に利用者が増えている状況です。
- 機器情報を一元管理できることで、今後は、障害情報との紐づけ等にも活用できる見込みです。
関連情報
・水ing株式会社