Acroquest Technology株式会社(アクロクエストテクノロジー株式会社)

MVVコンサル、野原商行
野原商行株式会社
常務取締役 野原 一城 様
野原商行様は、薄い鉄板を切断加工する企業。大手クライアント様のエアコンの部品になる材料、鉄の材料を供給している。強みは、コイルセンター(鋼材の加工・流通業者)と業界では呼ばれており、小口な対応まで行う。鉄鋼メーカーで塗装された鉄板、カラー鋼板という鉄板も取り扱っており、全国でも有数の取扱量を誇っている。

今回は、当社のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)コンサルを活用いただいた野原商行の専務、野原一城様に、なぜMVVに着目し、自社に取り入れていくことに決めたのか、リモートでインタビューをさせていただきました。

今回のMVVコンサル導入以前は、社員や組織の中でどのような問題意識があったのでしょうか?

一番は、社員と経営者とで、ベクトルがなかなか合わないと感じていたことです。目指している姿などが、リーダー層も含めて十分に伝わっていかない点に大きな課題を感じていました。会社の指示だから、常務が言ったから、社長が言ったからと、社員がその言葉に逃げていってしまう状況があり、仕事に対して無責任なところは、すごく嫌だと感じていました。

課題に対して、様々な方法が考えられる中で、今回なぜMVVに注目されたのでしょうか?

まずは、アクロクエストの組織イキイキ実践勉強会に参加したことが第一のきっかけです。正直、参加するまでは「うちには関係ない」と思っていました。創業60年にして、何かを掲げるということを全く考えてもいませんでしたし、先代が「俺についてこい」というタイプでしたので、考えることもなかったです。しかし、勉強会に参加していく中で、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)があると知りましたが、一から自分たちだけで作るのは、とてもじゃないけどできないと感じた一方で、MVVコンサルがあると聞き、アクロクエストの鈴木達夫さんに声をかけさせてもらいました。

どのようにMVVを策定し、推進をしていったのでしょうか。

MVV検討を始める前は、全部自分で対応していました。MVVを策定していくと決めてからは、30歳から45歳までの社員で、一緒に検討する人を募ってスタートしました。初めて作るものだったので、検討する人数が多過ぎても意思決定ができないのではないかと思い、人数をまずは絞りました。ちなみに、当社の30歳というと、およそ10年ぐらい会社に勤めてくれているので、会社のことはそれなりにわかっており、これから次世代のリーダーになっていく人たちと感じています。最終的に検討メンバーになったのは、役員を除くと13名でした。

MVV検討にあたって、内部での打ち合わせはどれぐらいの頻度と時間で行いましたか。

メンバーを募ってからはり、2023年10月から2025年6月の間に40回以上打ち合わせをしました。だいたい一回1時間と時間を決めていましたが、時々プラスアルファの時間を要することもありました。

MVV策定の中で、検討を繰り返す中
MVV策定の中で、検討を繰り返す中

MVVを検討していく中で、一番苦労した点はありますか?

一番苦労したというより、まだ十分に浸透していなかったと感じるのは、打ち合わせをすると決めて、「その時間に一緒に集まろう」と、みんなで集まることです。やはり、実務、加工業務を優先してしまうというのは、何度もありました。実際に、お金を生む仕事なので、仕方ないところもありますが、検討メンバー全員で集まるという点は、最後までなかなか変え切ることができませんでした。それ以外は、参加者の意見や”言葉”をまとめることです。言葉をまとめる、意見をまとめるのは、もう本当に大変でした。

話し合いの中で、良い発言で前に進んだことや、新しい気づきから場の雰囲気が一気に変わったという場面はありましたか?

何度かありましたね。例えば、一人の社員が、伝えたい言葉があったけど、なかなか伝わらないと言った時に、別の社員が、例え話とか含めて、うまく伝わっていくということがありました。検討の最後の方では、「妥協しない」という場面もありましたね。たった一つの言葉について、これは自分は気に入らないという人間もいれば、周りはどうしたらより伝わるのだろうかと考え始めたりなど。「妥協しない、みんなにこの言葉が伝わって欲しい」という思いが、検討しているメンバーの中に浸透していきました。

検討メンバーで議論を繰り返す
検討メンバーで議論を繰り返す

野原さん自身、今回決めたMVVの中で一番気に入っているものは何でしょうか?

やはりミッションですね。「鉄で叶える! 豊かな暮らし 夢のある未来」です。

今でも私たちが携わった鉄は、世の中にエアコンや冷蔵庫といった形に変えて、どの人にとっても生活必需品となっています。それがないともう、不便ではないですか。ミッションを作る時間が一番短かったのですが、それは、この言葉がすごく一番私の中でもしっくり来た部分だったからと思います。

あとはバリューの中の、「仕事を楽しむ」です。実は、私自身、正直正反対のことを以前は言っていたのですよ。仕事って楽しくないから給料払ってもらっているって。しかし、やっぱ楽しくなかったら、社員は仕事が続かないよねっていう話し合いとか繰り返していく中でクリアになり、この「仕事を楽しむ」という言葉が、好きになりました。

MVVが決まりましたが、今後、どのような取り組みを進めていく予定ですか。

まだ詳細は検討中ですが、一年後には、できていること・できていないことを見直す会をしようという話はすでにしています。アクロクエストと同じく、MVVカードというものも作りました。そのカードは従業員に渡していて、ことあるごとにMVVについて話す、ということも取っ掛かりとして考えています。

MVV策定を通して、一番大きい気づきはありますか?

社員に対して、「そんなこと思ってたんだ!」と感じたことです。今までお互いに話し合うこともなかったので、社員の本音を初めて聞けたと思いました。耳の痛い話ももちろんありましたし、逆に、ポジティブな方向で、本当に会社のことを考えてくれてるんだな、といった気づきも多くありました。

MVVコンサルについての感想をお願いします。

まず、的確に教えてもらえたな、というのが一番です。言葉に深みがあり、一文一文じっくり聞いていました。また、私が社員に対してどのように説明するのか、質問をするのか、その進め方まで教えてもらえたので、持ち帰って自分が進行していくにあたって、すごく助かりました。

最後に、MVV策定で悩んでいる他社へアドバイスできることや、一言コメントをお願いします。

正直、半信半疑でMVV策定を始めました。しかし、今では、作ってみて良かった、作れた過程も良かったと感じています。MVVを策定できたことに対する達成感、満足感がものすごくあるので、もし悩んでいる人がいれば、まずは行動してしまうのがよいのではないかと思います。

本日は、お話しいただき、ありがとうございました。

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組織価値経営部 鈴木達夫
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